キョンジ、爆釣!! 

日時: 2010521日(金曜日)

場所: 清平湖(チョンピョンゴ)ダム下流

参加者: ヤリ杉、NMA,ウォンバット(文責)、Yang(非会員、名人)

 

釣行記:  

今週の金曜日は、お釈迦様の誕生日、とかで韓国は休日。 

3連休を利用して初日にソウル釣りクラブ恒例のキョンジ釣りに行こう、という事になりました。 

殺生して良いのかな?

 

本日のメンバーは、すっかりこの釣りにはまった、お馴染みヤリ杉さんと、過去2回行った釣行でまだヌチの型を見たことのないNMAさん、「釣り」と名が付けば何にでも手を出すウォンバットと、今回は韓国のヌチ釣り名人、Yang(楊)さんがご一緒して頂けました。

 

(左より、ヤリ杉、Yang名人、NMA,ウォンバット)

 

Yangさんは忘れもしない2007年の66日、私が初めて国士さんにキョンジ釣行に連れて行ってもらった時に、我々の隣に船を舫って、大物のヌチ(ニゴイ)を爆釣していた方です。 このときの釣行記にも書いていますが、正直ハエタタキみたいな変な釣り竿を使って、いい加減に魚を釣るんだろう、と思っていた私の考えを、根底からひっくり返した本当の名人でした。

 

釣果もさる事ながら、キョンジ竿を使った精妙な誘いと合わせ、流れるような取り込みの技術は到底真似の出来ない業でした。 感覚的にはリールやロッドが革新的に進歩しているのに、未だに手バネ竿やビシマにこだわって大ダイに挑むタイ釣り師に似ている感じです。

 

こんな人と釣りの話を一度はして見たいな、と思っていたんですが、その後この釣りにずっとはまった国士師匠が河原で声を掛けて以来、ソウル釣りクラブとは仲良しになっちゃったんだとか・・・・・・

そしていまやキョンジでは国士さんの直弟子になったヤリ杉さんにその関係はしっかり引き継がれていて、ヤリさんの一声で、当日はなんとYang名人の車で清平湖に連れて行って頂く幸運に恵まれました。

 

地下鉄5号線、踏十里(ダプシムニ)の駅にAM7:00集合。 Yang名人はそのトレードマークの黒ずくめの釣り服に似合わず、とてもさわやかな紳士でした。 私の車にどうぞ、と言われた先に八百屋の軽トラックみたいのが泊まっていて、「あ~あ、やっぱりこういう車で行くんだろうな」と思っていたら、その車のはるか向こうになんとピカピカのBMW7シリーズが控えていたのにはびっくり!

 

聞けばYangさんはソウルの不動産会社の社長さんなんだとか。 仕事で日本にもかなり行くみたいで、日本びいき、そしてインテリジェンスを感じさせる穏やかな話し方が当初の印象と比べてちょっと意外でした。

 

当日は3連休の初日のため、行楽地の清平湖方面は高速道路が大渋滞! 処がほぼ毎週、同湖に釣りに向かうYangさんは さすがに裏道を良く知っていて、一般道をすいすいとBMWを駆って進みます。 なんと、2時間弱で到着したのにはびっくり! 後で聞いたら、高速に載って清平を目指したグループは平均7時間以上掛かり、殆ど釣りにならなかったんだとか・・・・

 

本日は2日前に結構な雨が降り、また昨日、本日と気温が上がって、釣りには絶好の日和。 特に気温の上昇でソウルの電力需要が増大し、終日ダムから発電の為の放流が続くようで願ったり、かなったりです。 キョンジはとにかく水が流れていないと駄目なので、久しぶりにとても良い釣りが出来る予感・・・・・・

 

 

いつもの橋の上流、少し右に寄った流心のすぐ際にヤリさん、NMAさん、私の船を3艘舫って釣りはじめ。 Yang名人は独自の判断で岸よりの比較的浅めのポイントに陣取ります。

 

 

入れてすぐに私にあたり! その後結構な大物も含めて午前中は好調に釣れ盛ります。

少し遅れてヤリさん、 そしてついにNMAさんに待望の初ヌチが!

 

 

 

午前中、私に特別な大物のあたりが2回来ました。 私もこの釣りは早4回目。 自分なりにヌチの釣り方は十分分かってきた積もりです。 大物はキョンジ竿の持つ原始的ドラグ機能を使って、腕と竿の弾力を十分に利用しながら魚を弱らせること、ただしこの弱らせる過程はあまり船の近くでやらず、35メートルの距離を取って行うこと。(距離が短いと糸にもろにテンションが係り、切れる原因に・・・)

玉網入れは魚に十分に空気を吸わせるまでは気長に待つ事、

などテクニックを駆使して弱らせます。

 

 

午前中の釣果は私が13、ヤリさん8、NAMさんも3本を取って大満足な釣果となりました。

Yang名人は一度舫った船の生簀から魚を移し変えていたので、数え切れないほど取ったんでしょう。

 

昔は国士さんと昼からメウンタン(魚鍋)の酒盛りが始まり、午後の釣りが始まるのは日盛りを過ぎた3時頃から、と相場が決まっていたんですが、最近は「キョンジの鬼」と化したヤリ杉さんの命令で、昼食もそこそこに午後の釣りに出ます。 私にとっては、川風に吹かれて楽しむメウンタンとソジュ(焼酎)の組み合わせも忘れがたい思い出なんですが・・・・・・

 

 

処が午後は一転、ダムの放流量が増加して水量がありすぎ、我々のいた深場のポイントは釣りにならなくなってしまいました。

 

ここで 水量の安定した、Yang名人の船のそばへ移動して釣り。

午後のこの場所では、徐々に調子を上げたヤリさんとNMAさんが絶好調!

それぞれ良い型のヌチを釣り上げました。

私は入った場所が藻だらけで釣りにくく、ここでは午前中ほどの釣果は得られませんでした。

それでも50センチ級1本を含んで10以上釣れたので、まあ良かったといえるでしょう。

 

PM6:30に上がり。 本日の釣果はウォンバット25本、ヤリ杉15本、NMA10本、と久しぶりのヌチ爆釣となりました。 私はこの中でクラブ記録となる59センチを含む50センチ級3本、と出来すぎの結果となりました。

 

Yang名人はやはり50センチ級を含み、数は数え切れないほど・・・・ やはり我々とは一味違います。ただし、型ではどうも私の1本が最大だったみたいで、これはうれしかった!!

 

帰りもYangさんの手練の運転で、ソウル到着も9時半くらい。 まだ早いのでサムギョプサル屋(豚の3枚肉の焼肉)で夕食をかねた祝杯を上げます。

 

やはりYangさんと話してみて、想像以上にキョンジを細かく捉えていることが良く分かりました。 大物ヌチほど神経質なので、川底を錘でたたかないように誘うこと、 こませの袋に付いた錘も、水量によって付け餌との距離を調整する為にこまめに替える事、 最初に舫ってもらったポイントも釣れなければ30分で見切って、自分でポイント移動を繰り返すこと、60センチを超えたヌチには また別のドラグの利かせ方がある事、などどれをとっても示唆に富む内容でした。

 

「日本が大好き!」というYangさん、最後に嫌味ではなく、「韓国でのキョンジ釣り大会では、型も数も私が一番上げています」とさらりとおっしゃいました。 一同、何の疑いもなく同感!

キョンジを韓国伝統の釣りとして、本当に愛していらっしゃる姿に感動しました。

 

 

ヤリ杉さん、本日はお誘いいただいて本当に有難うございました。 

NMAさんと3人、心から韓国の釣りを楽しむことが出来ました。

 

(おしまい)